パブリカUP20
2020.01.06
こんにちは、テクニカルサポート室向井です。
弊社では今まで取り扱ってきた車をレストアして保管・展示しています。
そんなカローラ徳島旧車コレクションの中から、今日は私の好きな車を私の目線で紹介したいと思います。

UP20 パブリカ
1968年式
日本でのモータリゼーションの礎を築いたクルマです。

普通車とはいえ、いまの車と比べると本当に小さく感じます。
サイズで言うと今の軽自動車の規格とほぼ同じ大きさです。

エンジンは水平対向2気筒エンジンです。
排気量は800ccで最大出力45馬力。
ところで、エンジンルームの前から後ろまで伸びている、断熱材が巻かれた太いパイプが何かお分かりになりますか?

いわゆる強制空冷という方式です。
一般的な車は水冷式エンジンが採用されています。
冷却水という液体をエンジン内部に循環させて冷やしています。
エンジンで温められた冷却水(お湯)は車内に引き込んでヒーターの熱源として利用されています。
パブリカは空冷エンジンですので基本的にヒーターが付いていません。
しかし、この車はデラックスと言うグレード。
ラジオとデミコンヒーターがセットでメーカー装着されています。
先ほどの白いパイプは排気熱を利用したヒーターのパイプでした。室内に暖かい空気を送っています。


車内の足元に目をやると、ブロアモータとヒータの吹き出し口があります。
(フロントガラスに向けての吹き出し口もあります)
昔の車はシンプルで合理的な作りになっています。
先人たちが知恵を絞って作り上げた車は、一つ一つ部品をみているだけで技術者の心意気が伝わってきます。
この他にも興味深い機構がありますので、気になった方は本店隣のオートアミューズに展示しています。
ぜひ見にいらしてください。